TOP > 「トラック初期化情報の挿入」について


制作したMIDIデータをSMFで保存する際、音色などの設定をトラック内にイベントとして埋め込んでおかないと、保存したSMFを読み込んだ際に音色等が再現されない(全てのトラックがピアノ音色で鳴る、など)ということが起こります。配布用の互換性のあるMIDIデータを制作している際にこれでは問題がありますが、トラック毎に音色の設定イベントをいちいち打ち込んでいくのは手間が掛かります。MSSにおいては「トラック初期化情報の挿入」コマンドが用意されており、これを使用すると任意のトラックに音色等の設定イベントを一括挿入することが出来ます。手順について簡単ですが例を挙げて説明しますと、

元データ「MSS付属デモシーケンス 『Lonely planet』 Composed by Frieve-A」

トラック初期化情報の挿入されていない状態のデータです。基本的に多くのトラックにおいてトラック初期化情報の挿入を行う場合、それにより音源に負荷が掛かる為、データ上の1小節目からノート情報を打ち込んであるとモタリが生じるなどの弊害がありますので、トラック初期化情報と実際のノート情報の間には余裕を持たせておくのが一般的です。大体はデータ上の3小節目からノート情報が打ち込まれることが多いのではないかと思います。1小節目には特定音源に対する情報(GM/GS/XGリセットなど)が挿入されることが多いかと思います(配布用MIDIデータを多く見ているわけではないので良く理解していませんが)。
トラック初期化情報を挿入する際の前提となる事ですが、各トラックの音色設定(音色/ボリューム/パンなど)がトラックウィンドウにおいてきちんと設定されていることが必要です。

あるトラックのイベントリストウィンドウを開くとこのようになっています。

今回は2小節目にトラック初期化情報を挿入することにします。

まず、トラック初期化情報を挿入するトラックを選択します。余計な負荷・混乱を避ける為1チャンネルにつき1つ挿入されているのが良いでしょう。

トラックの選択が出来たら、「実行メニュー」から「トラック初期化情報の挿入」を選択します。

「トラック初期化情報」ダイアログが開きます。ここで挿入する位置や音色設定情報を設定、選択します。

あとは「OK」をクリックすれば、選択された設定情報が選択されたトラックに挿入されます。イベントリストウィンドウで確認すると

のようになります。

ざっと説明してみましたがこのようにして「トラック初期化情報の挿入」を行うことで、SMFにおける音色設定情報の入力の手間を軽減することが可能になります。とはいえ、説明している本人にこのコマンドを使った記憶がないので間違っているという点があれば指摘お願いします。また、MSSに付属するHTMLマニュアルも合わせて確認して頂くと理解しやすいかと思います。